田中大地のwebサイト

シンガポールでもついに「ポケモンGO」が始まったという話をFBお友達の方のフィードで知った。
日本に帰ったときに、リクルートの大好きな方々と夜飲んでそれはそれは最高の夜だったのだけれど、みんなポケモンGOやっていて、いい年した大人がそれはどうなのよ、苦笑という反応をしていたのだけれど、まあ、それでも触りもせずに否定意見ばかりを述べるような若き老害のような態度は辞めておきましょう、と私は携帯にそれを入れておいた。

ラオス旅からのマレーシアの出張を終えて、約1週間ぶりに金夜シンガポールに帰ってくる。すると空港で誰の携帯もポケモンの画面になっていて、ひゃあ!シンガポールの経済発展も終わりだ!と驚いたものだ。

今調べてみると、ポケモンGO提供会社のNianticは任天堂やらフジテレビやら日本資本の会社がいっぱい入っているようなので、世界経済を悪化させた上に、日本にお金が流れるという仕組みはあれだね、なかなか好都合だし、歓迎すべきことだねと私の中の愛国心君が顔を出した。さあもっとポケモンにおぼれればいいさ!

ドがつくほどポケモン世代ど真ん中の私はといえば、小学4,5年生のころなんかポケモンやってた記憶かたまごっちやってた記憶か秘密基地作って記憶しかないのだけれど、どうもポケモンGOはそこまで面白さがわからなそうであったので、安心を隠せない。私にはやられなければならない使命があるのだ!

ただ、少し想像はしていたのだけれど、我が家の広大な敷地内には、ポケストップが5つもあったので、ポケモンマスターになるには最適な環境であるだろうし、これは知る人が知れば恨まれるぞと夜道に気を付けようと決意をした。(なお私の部屋からはそれらのポケストップにはアクセス不可能なので、ご安心ください。)

さて、ポケモンの話はこのくらいにして、Kindle Unlimitedさまさまで、金夜は夜更かししたため、土曜日に起きると10時頃となっており、さらに続きを、とばかりにKindle Unlimitedが再開され、気づくと12時を迎えていた。

お腹が空いてきて冷蔵庫を除くと、1週間ぶりのおうちだったので、酒類と危うい人参しかなく、これはこれはと出かける準備を始めた。

バスの中でも周囲がPokemon教に取りつかれている姿を横目に、ラオス旅で読み終わらなかったディックの『流れよ我が涙、と警官は言った』を読みながら大層面白いなあと思いながら、しかし絶対一回読んだことある気がする、という疑心暗鬼にかられる。しかしまったく結末が思い出せないので、ああ面白いわと読み続ける。

私は中学生のときの卒業アルバムに、一番好きな作家の欄に「フィリップ・K・ディック」と書く残念な青春を送ったため、彼の書籍を古本屋で見つけるたびに購入し、その結果30冊ほど持っており、正直どれを読んで読んでないかが全くわからなくなっているのだ。

さて、オーチャードについたので両替などを済ませ、いつもの週末同様ラッキープラザのラッキーチキンでチキンライスを食べ、いつもの週末同様映画館へ向かい『Nerve』を見ようとする。チケットカウンターに向かうと、なんと『シング・ストリート』がやっているという。

『シング・ストリート』は私が日本出張をしていた間に唯一映画館でどうしても見たい、と土曜夜にチネチッタに向かった映画で、現在の私の心のベスト10第1位である『はじまりのうた』のジョン・カーニーさんの新作なのだけれど、もうとんでもなく良かったので、もう1度見たい!と思っていて、シンガポールの映画サイトで調べたらもう上映終了となっていて残念だなあと思っていたところだったので、なんと!と狂喜した。

そのため同劇場で15時からの『Nerve』と19時15分からの『シング・ストリート』のチケットを購入し、大変ワクワクした。
『Nerve』は現代的な映像で想像よりずっと面白く、ただソーシャルゲーム怖い!と思わされ、ポケモンGOをもうアンストールしよう決意させてもらえたので、私の人生にとって、とても有意義な映画になっただろう。「有意義な映画」なんてこれまで見た数千本?の映画の中でも1本も思い当たらないので、人生で1番価値があったかもしれない。あ、言い過ぎだ。

Nerve

さて『シング・ストリート』なのだけど、友人と見る前にやるんだって!とその話をした際に、彼はジョン・カーニーの前作の『Once ダブリンの街角で』は本当にダメだったよね、そのため『はじまりのうた』はまぐれの一本で、『シング・ストリート』も疑っているよという態度を表明していた。

実際、私も『Once ダブリンの街角で』はあの最低な演出をされた映画を評価する人の気持ちがわからないという同様の意見を持っているのだけれど、まぐれでは『はじまりのうた』のような映画は撮れない、実力のはずだという態度を表明しており、しかし『シング・ストリート』の予告編は全然良くなかったので不安感はあったものだ。そういうことなので、『シング・ストリート』はとても良かったので、本当に二重の意味でも安心をした。

sing street

『はじまりのうた』を愛した人であればだれでも、その愛おしいいくつかのシーンを想起するだろう。
それは初めての路上MV撮影であり、夜の街の2人乗りの自転車であったり、あるいは部屋で2人で新曲「UP」を作っていたかと思ったらメンバーが突然あらわれるあの素晴らしい長回しもそうだろう。極めつけは、ジョン・カーニーの得意技、夢を見させる幻想マジック、理想と現実の乖離をバッキバキの演出で描く「Drive it like you stole it」のMV撮影シーン。もうやっぱりあそこ号泣ポイントで予想通り号泣。

何かやりたかったけどやれていなかったことを始めようと強く決意させ、行動させるのに十分な力を持っている映画だ。
ありがたいことに、ここ3,4年はもう自分のやりたいことをほとんどやりたいようにやらせてもらっているので、私はこの映画に触発されて突如世界一周航空券を購入したりはしないのだが、特に毎日悶々と鬱屈していた高校生のときとかだったら、やばかった。少なくともバンドは始めていた。

県下トップの高校に入り、周りのやつは頭はいいけど真面目で物足りなく、スピルバーグが監督で、ディック原作の『マイノリティ・リポート』が映画館でやるってのに、誰も映画館に行かないような高校だった。好きなバンドはゆずとミスチルと答える人ばかりだった。
唯一心を許せる親友ばかりと毎日つるみ、毎晩のようにレンタル屋へ通い周りは誰も知らない映画や音楽を漁り、俺らは他の奴らとは違うんだと言い聞かせた毎日。
そうだな、きっとバンドを始めたくても、『シング・ストリート』とは違い、きっとメンバーを見つけられなかったかもしれない。

大学入って以降は今にいたるまで、不思議なくらい、僕なんかよりずっとぶっ飛んだ人たちと出会えて、彼ら彼女らのおかげで素晴らしい人生を送れているので、余裕を持ってこの映画も見れるのだけれども、「This is your life you can go anywhere」と言ったと思えば、「今行かないと一生お前はどこへも行けないぞ」と煽るアダム・レヴィーンの「Go Now」も見る人が見れば、とても残酷にもなりうる映画なのかもしれない。

でもいまの私はこの映画を好きで好きで仕方ないし、ああそのまま年始より更新を怠っていたこちらのブログを更新しようと思わされる。でもやっぱりバンドやっていなかったことだけは後悔!

では最後に「Drive it like you stole it」でお別れ!

「はじまりのうた」についてはこちら

シング・ストリート 未来へのうた

ここ1ヶ月くらい、週末といえば、シンガポール各地の映画館に繰り出して1本(たまに2本)映画観て、その近隣のスタバないしは、wifiカフェ(できればコンセント付き)でひたすら仕事に役立ちそうな勉強をし続けるという日々が続いていた。ちなみにその勉強の成果はもう1つのブログにてアウトプットしているので、よろしければ。

そんな中、上海に転勤になったある友人が、半年とかそのくらいの間に国内国外16都市を訪問して色々な人に会ったというようなことをFacebookで呟いており、それを見ながら、もっと人に会わなければならないな、と決意した。

という決意をしたのは今日のことだったので、昨日も映画観てスタバ2回行ったりしてたんだけど、昨日見たのは、『The 5th Wave』というクロエ・グレース・モレッツ主演のSF映画観たのだけど、もうハーレクイン映画みたいでウケた。

5thwave

ハーレクインて、それまでどんなものかあんま知らなかったのだけど、最近あるハーレクイン好きの女性から聞いた話が、「女子高生が朝遅刻しそうで、パンを口に咥えながら、学校に走って登校中に曲がり角である男性とぶつかる」、うんうん、そこまではよく聞いたことある話。

「そうしたら、実はその男性がアラブの石油王の息子の超大富豪ですぐに恋に落ちて、アラブの石油王の妻になる」みたいなやつと説明を受けて、映画を大量に見すぎてリアルとアンリアルの区別がだいぶつかなくなっている僕ですらだいぶ驚いた。それ以降、ハーレクインと聞くとテンションが上がる。

で、『the 5th Wave』もそんな感じで、エイリアン(the others)が地球に攻めてくるんだけど、そのエイリアンが人間と同じ格好してて、人間をだまして、人間同士で戦わせて地球崩壊を狙うみたいな話自体はなかなか面白かったんだけど、素人俳優と素人監督の究極に緊迫感ない銃撃戦に苦笑する。

極めつけは、イケメンエイリアンが、クロエ・グレース・モレッツ(人間役ね)に惚れちゃって、「I’m others. But I choose you」といってチューするとこで、周りの女子中高生の観客たちがキャーって騒ぐみたいな、俺なんでここいんねやろ、と思って逆に笑えてきた。まあある意味ハーレクイン感満喫できて面白かったっす。

しかしクロエ・グレース・モレッツってもう18歳なんだね。さすがに18歳のアメリカ女優であの幼い顔はちょっと今後のキャリアが心配になるというか、いつまでもヤングアダルト推しではしんどいよねーという感覚を持っているので、どっかでかわいい女の子から女優にソフトランディングできるといいねと思う。エマ・ワトソンみたいに。

で、さすがに週末『the 5th Wave』だけだとしんどいので、まともそうな映画を、ということで、今日は『Room』(レニー・アブラハムソン)という映画観たんだけど、もうこれがとんでもなく良くて、これはアカデミー作品賞とりますわ、と思った。

今までだったら、アカデミー賞とか発表のが日本公開より先だったりするけど、シンガポールではアメリカと公開時期ほぼ同時なので、何が獲るんだろう、とかいう楽しみ方できて嬉しい。

今時点の予想では、こんな感じかしら。

作品賞:『ルーム』
主演男優賞:マット・デイモン『オデッセイ』 
主演女優賞:ケイト・ブランシェット『キャロル』

来週・再来週にかけてノミネート作品の公開ラッシュなので、ちょっと今年は予想なんてやって観ちゃおうかしら(笑)ちなみに大変楽しみにしてた、デヴィッド・O・ラッセルの新作『JOY』は全然ダメでしたわ。

'Room' is a journey out of darkness, director says

さてさて、『Room』の話をちょっとしようと思うんだけど、主人公の母親と息子(鬼かわいい)は、ある部屋にいるとこから始まって、その部屋くっそみたいに汚いんだけど、どうやら息子はこの部屋で生まれて、一度も外に出たことなく育ったことが発言からわかるんすよね。で後から知らされるのだけど、母親は7年前に知らない男に拉致されて、この部屋に閉じ込められて監禁されてるという。

息子の天才的な演技がやばくて、一度も部屋の外出たことないから、もう本当に部屋がこの世界の全てだと思ってる。テレビの中に出てくるものを全部アンリアルだと思ってて、母親が脱出を決めたあと息子に、外の世界があることを伝えても絶対に信じない。犬はnot real、蛙はnot real、海はnot realだと思ってる。てか、そう育てられてる。

その彼が脱出して、初めて外の世界を自分の足で踏んだシーンの異常なまでの美しさ、当然そんな彼らがだから無事脱出できても世間に順応できないわけですよ。母親役のブリー・ラーソンもきれっきれ。『ショートターム』のときからいい演技するなーと思ってたけど、この映画で完全に昇華された感じ。2人の決意と、成長ストーリー、もうほんと勇気もらいましたわ、ありがとう。

で、このブログ書こうと思って、作品の原題『The Room』て当然打ってたんだけど、あらためて見てたら『Room』なんすよね。これが驚きで、英語のルール的には1つの特定する部屋について話してるんだから、当然Target冠詞のtheはつけるでしょと思ってたので驚きなんだけど、よく考えたら主人公の男の子、ジャックにとってはその部屋が全てなわけですよ、この世界の。この部屋以外に世界があるなんて思ってもみないから、特定すらする必要ないんですよね。そんなこと考えたらまた泣けてきたわ、必見です『Room』

room_thumbnail

日本配給はギャガで、4月からTOHOシネマズ新宿はじめ全国公開のよう!ぜひ!
映画.com『ルーム』

では勉強に戻ります。VivocityのCoffee Bean & Tea Leafというカフェ(最近日本にも一号店ができたらしいね)がwifi環境快適で、コンセントも多数あるので、長居に最適ですわー。シーユウ!

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アカデミー主演男優賞はマット・デイモンだな。オデッセイの感想はこちら

皆様、あけましておめでとうございます。今年は3年ぶりに日本で年越ししました!渋谷の居酒屋でみんなで`飲んだり喋ってる間に2016年を迎えていて、カウントダウンしそこないました。笑

さて、毎年のように、今年もずっとよりよく生きるには、ということをばかり考えて、悩んで、苦闘してばかりいた一年だった。ついに30才になった。ほんといい30年だった。
大きな変化がいくつかあったが、一番大きなものは、やはりシンガポールに住み始めたことだろう。

かつて40カ国旅をしたし、2か月間海外で生活することも何度か経験した。しかし帰る場所がある旅と、そこに住むということは全く違うのだということを実感した。年末年始に日本帰った時のほっとした感覚とかが異常で、成田空港でて寒い外気に触れた瞬間に気持ち良すぎて泣けてきたりして自分で引いた。

毎日苦しんだり悩んだりしてます。それは言葉の壁だったり、文化の違いだったり、ふつうに人恋しさだったりw。

でもリクルートのときとか、そのあとのベンチャーとかも辛いことしんどいこといっぱいあったし、で乗り越えた経験も、その気持ちよさも知ってるし、余裕だろ俺、もっと頑張れよと、自分をいきりたててただ前に進もうと、頑張ってます。

まあちょっと人恋しさだけはダメですね。日本で友人やらとかに会っちゃうとダメです。みんなのことが大好きなんだよなと。でも、なまじみんなと遊ぶことできないから、自分を高めることに集中できるのはいい環境だと思ってやってますが。

そんな中、今年私がもっとも愛した映画たち10本。好きだった順。

1.『ハッピーアワー』(濱口竜介、日本)
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2.『岸辺の旅』(黒沢清、日本)
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3.『山河ノスタルジア』(ジャ・ジャンク―、中国)
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4.『Right Now,Wrong Then/ 今は正しくあの時は間違い』 (ホン・サンス、韓国)
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5.『THE COCKPIT』(三宅唱、日本)
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6.『Mommy/マミー』(グサヴィエ・ドラン、カナダ)
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7.『The Martian/オデッセイ』(リドリー・スコット、アメリカ)
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8.『夏をゆく人々』(アリーチェ・ロルヴァルケル、イタリア)
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9.『二重生活』(ロウ・イエ、中国)
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10.『シェフ 3ツ星フードトラック始めました』(ジョン・ファブロー、アメリカ)
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今年観た映画は全部で75本。ほぼ映画館。月別にみると、海外転勤が決まってからの、2か月間、9月~10月がほぼ壊滅的に見ていないので、その期間もペース崩さなければ、今年も100本くらいいけたかなという印象。

2015年観た映画全星取りはこちら

なお、『はじまりのうた』は今年だけで4回観た(毎週1回は映画館に行っていた。笑)が、初回を昨年に観ており、昨年のベスト10の1位にいれているので、今年のランキングからは除外している。また、観ていれば間違いなくベスト10入りするであろう、アルノー・デプレシャンの新作『あの頃エッフェル塔の下で』は年末年始日本に帰国したときに観たかったのだが、予定が調整できず未見。評判の良さそうな『恋人たち』(橋口亮輔)も未見。

1位は『ハッピーアワー』
私はどうやら、2006年からブログを始めたようで、つまり映画ベスト10を作りはじめて、丁度10年が経ったが、1位について一切迷わず、この映画しかありえないと言い切れることは初めて。『ハッピーアワー』以外ありえない。5時間見続けて、ずっと見ていたいと思えるなんて、私のこれまでの映画体験と地続きでないような、もう別次元の映画。

年末に日本に帰った際に、代官山のクラフトビール屋で早い時間から友人と飲んでて、もうハッピーアワーの話をしているときのあの幸福感といったら。二人とも思い出して嬉し涙を目に浮かべるという気持ち悪い場ですわ。まだ見てない人はぜひ、てかこの映画見ずにベストとか言ってんじゃねえよ!余計なお世話だけど。

以前書いた感想はこちら

2位は黒沢清の新作。
この映画を見たときに、ちょうど死についてや、結婚とは、なんてことを考えていたので、とてつもなくアクチュアリティを感じた。全シーンを自分の人生に置き換えて見ていた。望んでという意味ではなく、人はどこかのタイミングで突然死ぬ可能性を持つ。映画の中の暴力夫のように、風邪をこじらせるかもしれない、天災にたまたま当たるかもしれない。

僕は、飛行機に乗るたびに、ああそうか今回だったかと思う。その度に私は、今だったら綺麗に死ぬことはできるだろうか、と思う。一度も、うんと言えたことはない。いま死んで後悔とかそういう話でなく後味の問題。

映画を見ながら、そうか死ぬこととと人を愛することは表裏なのか、死ぬための準備として愛するのか、と一瞬考えも過ったが、ちょっとまだ結論出すには早そうだ。

3位-6位はほぼ同列で、ただアジア映画をすべて5位までを埋め尽くすという偉業を達成したく、この順位。昨年のランキングが10本中アメリカ映画9本だったのに対して今年と言ったら!濱口竜介、三宅唱、黒沢清、ホン・サンス、ジャ・ジャンクーの新作が同じ年に観れるなんて幸せなことあっていいのかしら!

『山河ノスタルジア』はジャ・ジャンクーの最高傑作でしょう。ホウ・シャオシェンの『百年恋歌』のスーチーじゃなくて、チャオ・タオ版みたいな。でもやっぱこうゆう三部作だと、最後の近未来的なやつが好きなんだよなー。実の親父と言語の壁で会話できない息子の姿に号泣。

ホン・サンスの新作は究極のアイドル映画。ずっとキム・ミニちゃんの一挙一動にドキドキしつづけた。どタイプです!!ホン・サンス映画は毎回同じように繰り返しのシーンばっかりで始めてみたときこそ新鮮だったけど、なんなんだろうね。笑  その作家主義、成り立つと思ってんの、とか思っちゃうけど、なんでか好きなんだなー、ホン・サンス。理由は自分でももはやわかりません。

2015を代表する映画が『ハッピーアワー』なら音楽はOMSB!三宅唱とOMSBの共演はもう僕らにとってこの上ない喜びといえるのではないか。とにかく楽しいときでも、つらいときでも、Think Good!と自分に言い聞かせつづけた。

だんだん感想が雑になっていくけど、『Mommy/マミー』は誰が何と言おうと私は大好きです。たぶん去年一番泣いた映画。『オデッセイ』、リドリー・スコット、汚名返上とは別に思わないけど。マット・デイモンが最高なのよね。超勇気と元気もらった。オデッセイの感想はこちら。

『夏をゆく人々』ただただ美しかった。『ミツバチのささやき』現代版のような素晴らしい映画(あ、それ、家族で蜂蜜売ってるから思ったのか・・でもそんな感じ)『二重生活』、よくこんな映画作った。二つの家庭とか恐怖ですよ、すげえわ。『シェフ』はこんな映画全員好きでしょう!おなかすいてくるけど。

入れようか最後まで迷った次点群
『私たちのハァハァ』(松居大悟、日本)
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中学生とか高校生がストラグルする、それだけで映画って素晴らしいよね、という信条があって毎年一本は入るのだけど、今年はこれかな。ぎり11位。ああ泣いた泣いた。他の観客はクリープハイプ好きの女子高生とかばかりだったけど。

『CAROL/キャロル』(トッド・へインズ、アメリカ・イギリス)
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主演女優賞はこの映画のケイト・ブランシェットとルーニー・マーラの2人に!ルーニー・マーラの顔は世界で一番好きな顔のひとり。

『The End Of The Tour』(ジェームス・ボンソルト、アメリカ)
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地味すぎて日本公開はされなそうだけど、次に大いに期待したい監督。ジェシー・アイゼンバーグの居心地の悪さが最高。次回作がエマ・ワトソン主演で決まっているそうなので、とても楽しみにしたい。

中学生のとき、初めてスピルバーグの映画を見てから、僕の生活は映画とともに。May the Movie be with me.今年も生活と映画を楽しんでいきたいと思います。ではまた!

2015年観た映画全星取りはこちら

昨年までのベスト

2014年映画ベスト
2013年映画ベスト
2012年映画ベスト

濱口竜介という名前を考えると、まずある友人のことを頭に浮かぶ。よく煙草を吸う彼は、近ごろは3・4か月に1度ほどだろうか、居酒屋やカフェバー的なお店で定期的にわりと長時間飲むような友人だ。

2年ほど前だろうか、彼はある映画を見たと言う。よほどに気に入ったようで、居酒屋で席に着いた途端に映画について語り出すだろう。あのシーンでこの2人はこのように座っていて、ここでカメラが切り返されるんだよ、そしたら真正面から役者を捉えてさ、などと映画を観てもいない僕にとっては全く理解できない話を延々と続けてくる。正直はいはいとしか言いようはないのだが、それでもここまで嬉しそうに1本の映画を語る彼はあまり見たことがなかった(ウディ・アレンの『アニー・ホール』についてくらいか)ので、なんだか僕も嬉しくなったことを覚えている。彼はその後もほとんど毎回のように同じ映画の話を繰り返すのだ。

その映画こそが濱口竜介の『親密さ』だった。

happyhour

そしていま僕は当時の彼と同じ心境にいるだろう。シンガポール国際映画祭で彼の新作『ハッピーアワー』を観終わってから、友人やら知り合いやらにこぞってLINEやSNSを使い『ハッピーアワー』の凄さについて語り続けている。たとえそれが相互理解が全く得られない一方的なものだったとしても、濱口映画は観た後に語りたくなる衝動に駆られるのだ。
だから、この場でも少しだけ僕の記憶を辿りながら映画について語ってみよう。

当日、僕は体調は万全とは程遠かった。数日前から咳が止まらず、睡眠もとれないほどに苦しんでいた。その上、会場までの道は混雑し、到着は上映開始の5分前、晩飯も抜きで19時~1時の上映に挑むことになった。
ただでさえ近年は2時間映画でもしんどくて、90分を超えたあたりで、あと何分くらいかなと思うことも増えてきていた。正直5時間17分を耐えられるとは思っていなかった(知らなかった人のために、そう、この映画は5時間17分もある!)

映画が始まりしばらくたつと、とそんな心配をしていた自分がおろかしく思えてくる。「重心」と名づけられたワークショップのシーンの途中からだろうか、これまで映画を見ているときに感じたことのない感覚を覚えていることに気付く。まるでスクリーンと自分の間にカメラがなくなっていくような感覚。目の前の人は役者であるが役者でなく、自分の思ったままに反応し、驚き、感想を言っているのではないかという錯覚。と思ったら突如、ある女性の言葉で空気は一瞬で変わり、劇映画は劇映画に戻っていく。わっと声をあげて驚く。

そこから僕はもうすっかり映画の虜だ。ただ前のめりに、初めて映画を見たときのように、画面に見入ってしまう。1時間半に1度はさまれる休憩のたびにこの時間に終わりが近づいていることが悲しくてしょうがなかった。いつまでだってこの幸せな時間が続いてほしかった。

happyhour2

日本の社会問題という大きなテーマの中で必死にもがく人と、彼/彼女を望まれているかどうかは別とし関わろうとする周囲。
認識、認知。人は自分の近しい人のことをどこまで理解できるのか、成り替われるのか。夫婦であれば、親子であれば、職場の同僚であれば、同じ性同士の長い友情があれば可能性を信じて踏み込んでも良いのか、自分の思いは伝えない方が良いのか、それとも最初から理解すること/されることを諦めるべきなのか。

その中で必死にもがくみんなの顔がとにかくいい。
ワークショップのあとの飲み会でウカイさんの眉毛を釣り上げる仕草が大好きだ。ノセさんが自分の意見を言うときの顔が好きだし、それを聞いて、つい楽しくなってくるジュンの旦那の表情がもっと好きだ。桜子が中学生で彼女を妊娠させた息子をビンタする時の表情が好きだし、説教するときの旦那も、自転車で母親の隣を歩く息子も好きだ。

なんて、挙げていこうとするときりがなかったので、これ以降は個別の場で語ることにしようと思う。
望むならば、この映画について双方向に話を出来る人がひとりでも多い方が良い。日本での公開はこれから、少しでも多くの人に見てもらえればと思うのだ。

ハッピーアワー公式サイトはこちら
2015年12月より日本順次公開

長らくホテル住まいで、1ヶ月だから本当に長らくと言う印象なのだけど、今朝ようやく段取りを終えて新居に入居できた。最後までオーナーが印を押すとか押さないとか、入居当日まで家に本当に住めるのかわからないことは、ひどくストレスフルだった。日本では味わえない、異国の地の商習慣にゲンナリした。

物件の最終確認やらで一時間近くのやり取りを経てようやく新居でひとりになったときの安堵感。
長く住んでいたわけでもないのに、落ち着きを得られること、家を決めるということはこういうものなのかもしれない。
1ヶ月も同じホテルに泊まったことはなかったが、ホテルは最後まで他人の部屋でしかなかった。

ここよりももっとアクセスのいい物件はあった。けど、生活のイメージを一番感じたのはここだった。
コンドミニアムの敷地内にジムもプールもフットサルコートもある。カラオケやシアタールームまである。普通に買うと2億円するそうだ(そもそもシンガポールは不動産が異常に高いのだからだけど)
これまで住んできた家とは程遠い。けど言いえぬ落ち着きがあった。

昨晩、買い物から戻ってきた夜10時、遊具施設の芝生の山から子供たちがキャハハハといいながらゴロゴロ転がってきた。子供たちの笑顔を見て、僕も思わず顔がにやけた。最後まで迷ったけれど、ここにして良かったと思った。

interlace

さて、新居にひとり。部屋はがらんどうだ。
生活をイチから作っていこうと、コンドミニアムから出ているシャトルバスに乗って、走ること10分VIVOCITYというショッピングモールに行った。セントーサ島の入り口になっている新しい施設だ。

朝から水を飲んでいないことに気づいたのでスーパーを覗いてみる。大きい!奥まで見渡せないくらいだ。たぶんシンガポール1の大きさではないだろうか。これまで通っていたスーパーの5倍くらいは広い。

ここならと思い、探したら、やっぱりあった、自転車!
こっちの人は交通機関が安いからか、ただ暑いだけだからなのかわからないが自転車にほとんど乗らないらしい。でもせっかく自然がいっぱいのとこに住むのだから、と自転車は買おう、とお手頃な価格のものをいくつか試し乗り。同じ自転車をローカル版AMAZONのLAZADAを見ると、30ドルくらいネットのが安かった。日本とやってることは同じだな、とひとりごち笑う。そらそうだ、これは旅ではなくて生活だもの。

ベスト電器が入っていたので、携帯見たり、炊飯器見たり。プロモーションされているティファールの炊飯器を見ていたら陽気なオバチャン、ジェニファーが、これまじおすすめと言ってくる。半額近くになっていて、フライパンがサービスでついてきて、しかもジェニファーから買うとティファールの電気ケトルをつけてくれると言う。彼女曰く「Only me. Secret」だそうだ。

もう1軒の電気屋でも確認して、やはりジェニファーから買うのが良さそうと思ったので、戻り購入の意思を伝える。ジェニファーは数分前にも別のお客さんの成約を勝ち取っていたので、今日はホクホクだろう。彼女のボーナスなどに貢献するといいのだが。

スーパーで包丁などのキッチン用品や野菜や肉を買ったりしていたら大荷物になってしまったので一旦家に戻る。気づいたら夜の8時をまわっている。荷物をおいて、もう一度外へ。そういえばまだ布団すらないのだ。歩いて10分の所にあるIKEAへ。ベッドやマットレスは配送に最短で3,4日しかも時間指定不可で、午前10時~午後2時しか配送できないという。休日に受け取るしかなさそうと、しばらくはマットレスの上に敷く布団?みたいなものだけで寝ることを決める。

supermarket

大きな布団を背負って家に戻る。もう夜の11時だ。今日は忙しい日だった。買ったものを並べたら楽しくなってきた。

全く切れない包丁で料理。にんじんをみじん切りにしようと思ったがこの包丁では1日かかりそうだ。急遽ざく切りに変更し、ティファールの炊飯器でご飯を炊く。しまったジャスミンライスをジャパニーズライスモードで炊いてしまった。出来上がりが心配だったがまあまあいける。友達たちから餞別にもらった味噌汁がうますぎて泣けてきてしまった。

シンハーを開け、ひとり引っ越し祝い。
手探りだけど、こうしてひとつずつ生活を取り戻していくのだ。

1day

Facebookとかでは、報告してましたが、2週間前からシンガポールに転勤になりました。
土日がいい感じに暇なので、1年近くぶりにブログを書こうと思い立ちました。皆様お元気でしょうか。

僕はすっかり元の生活取り戻してきたというか、つまりシンガポール来て2週間とかで、すでに4本映画を映画館で見ているということなのだけど、こっちは1本1,100円とかで観れて、映画前にあたふたして、チケットショップ探さなくてもよくてとても嬉しい。しかも平日だと更に安くて、一回仕事終わりに行ったら700円とかで見れて、すげー最高と思った。365日毎日見ても30万円いかない!

唯一にして最大の問題はもう言語だけで、英語やっぱ相当厳しいというか、特に映画で使われるウィットに富んだ発言?観客からドヨドヨと笑いが起こるようなシーンは特に難しく、僕以外みんなそっち側なのね、というあれほどさびしいものはないっす。
ただ、我ながら映画好きってすごいなーと思うんだけど、もう言語50%くらいしかわからなくても、スクリーンで俳優が動いてるだけで、めちゃくちゃ感動できちゃうし、話もほぼ経験則的に掴めてしまうという謎の見方を楽しんでます。

あととてもいいのが日本公開未定のやつとかが、ほぼ全米公開と同時で見れるのがとてもいい。

たとえば観たやつは
『The Intern』(マイ・インターン)
『Burnt』(10/30全米公開、日本公開未定)
『Miss You Already』(11/6全米公開、日本公開未定)

とかなんだけど、『Burnt』とかブラッドリー・クーパーがぶち切れシェフ演じるの再生物語とかで超泣いたし、
『Miss You Already』とかドリュー・バリモア!!とトニ・コレットの女友情物語とかでとかもう超泣いた。ドリューバリモアの出る映画はほんとはずれないっすね。

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さてそんな感じで今日は何しようかなーとFacebook眺めてたら、
友人が『火星の人』という小説読んでて超面白い映画楽しみというようなことが書かれていて、『オデッセイ』という映画のリンクが貼られていて、ほうほうと思って、一瞬ではいま劇場でやってる『The Martin』と一致しなかったのだけど、マット・デイモンのジャケ見ておおこれかとなったのだけど、監督リドリー・スコットとあって、一気に興ざめというか、リドリー・スコットが面白い映画なんて撮れるわけないと思っているところはあったのだけど、僕はその友人のリコメンドを絶大に信頼しているので、チケットをポチっとして、ドービーゴートという駅にある映画館へ向かう。

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全然話知らなかったのだけど、どうやらデイモンは火星探索のクルーの一人で、冒頭からいきなり事故っちゃって火星にひとりで置いてかれちゃって、またかよwwwと突っ込まざるをえない。確かインターステラーでも彼は火星かどこかにひとりで置いてかれてた気がするので、二年連続二回目。

でもインターステラーのマットデイモンとは大違いで、火星での彼は驚くほどのポジティブさで、超勇気もらった。
超さびしがり屋の僕なんかからしたら、火星に一人置いてきぼりとかそれさすがに無理っすわ、心境お察ししますわという感じなのだけど、もう彼は映画全編にわたってポジティブ。
時間あるし、俺植物の知識あるし、農場を作るかと決意して宇宙で芋を育ててみたり、ひとり大音量でディスコミュージックかけて踊ってみたり、デイモンまじ最高だわとなる。

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なんかいわゆるSF映画の定型文というか、パニック映画みたいなのはわりと普通だと思ってて、パニック、助かった、でまたパニック、助かった・・・ハッピーエンドというのが140分くらい続くのがいわゆるよくあるSFのあれとは大違いで、デイモンがポジティブに頑張る姿に超共感しまくるという感じですごく良かったです。

こっちの映画は一応中国語の字幕があることが多いんだけど、マット・デイモンが火星をロケットで飛立つぞというときに、「火星、再見」と字幕が出てきた瞬間の僕の号泣ぷりったらなかった。1年半も火星ひとりぼっちで再見なんて言えないよなーふつう、超強いわデイモン。ありがとうまじで、俺も頑張るよ、と強く決心した。

ポジティブに生きてると周りも変えられるんじゃないかというか、
彼ひとりのためだけに食料輸送のロケット飛ばそうとNASA全員で頑張ってみたり、まだ宇宙漂ってる元のクルーたちが彼を助けるためにもう2年間宇宙航行長くなるけどどうする、みたいな決断のときに、全員が即決でYesと言っちゃうとことか、そのあと即決したクルーに何勝手にやってんのと怒りつつしょうがないねという雰囲気出しちゃうクルーの奥さんとか、もう大好きですこの映画。
みんながこの映画観たらもっと世の中幸せになれんじゃないのと強く思うので、是非劇場に足を運んでみてください。

というわけで、『オデッセイ』は日本公開2016年2月13日です!ぜひ!
オデッセイ公式サイト

皆様あけましておめでとうございます。
今年は中国の成都で年越ししました。成都はすごいパワフルで、ストップオーバーで寄ったソウルよりも都会でした。

さて早速ですが、年始恒例の2014年劇場もしくはそれに準ずる形で観た映画のうち、愛してやまなかった映画10本、好きだった順。

 

1.『はじまりのうた』(ジョン・カーニー、アメリカ)
はじまりのうた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.『アバウト・タイム 愛おしい時間について』(リチャード・カーティス、アメリカ)
アバウトタイム

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.『アメリカン・スリープオーバー』(デヴィッド・ロバート・ミッチェル、アメリカ)
american sleepover

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4.『自由が丘で』(ホン・サンス、韓国)
自由が丘で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5.『インターステラー』(クリストファー・ノーラン、アメリカ)
インターステラー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6.『ジャージー・ボーイズ』(クリント・イーストウッド、アメリカ)
ジャージーボーイズ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7.『グランド・ブダペスト・ホテル』(ウェス・アンダーソン、アメリカ)
グランドブダペストホテル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8.『とらわれて夏』(ジェイソン・ライトマン、アメリカ)
とらわれて夏

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9.『エヴァの告白』(ジェームズ・グレイ、アメリカ・フランス)
エヴァの告白

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10.『アメリカン・ハッスル』(デヴィッド・O・ラッセル、アメリカ)
アメリカンハッスル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

並べてみて驚いた。10本中9本がアメリカ映画。わりといつもアメリカとそれ以外で半々かなーとなりがちな僕のベストでは、たぶんはじめてで、最後駆け込みのホン・サンスがなかったら、『ラッシュ/プライドと友情』を入れていたので全部アメリカ映画になるとこだった!

 

1位と2位、『はじまりのうた』『アバウト・タイム』は最後まで迷った。いずれも2014年の私にとって最もアクチュアルに響いた作品たちだった。
後の記憶として、1位以外の9本はベスト10に入れたよねという記憶しか残らず詳細の順位は覚えてなかったりするが、1位はずいぶん昔のものも記憶に残ってるので、すごく大事にしたかったけど結局エイヤ。

どちらも、たぶん何千回観ても飽きないシーンが1つずつあって、『はじまりのうた』は、マーク・ラファロがはじめてキーラ・ナイトレーに出会うアコースティックライブシーンで、『アバウト・タイム』は、ドーナル・グリーソンがはじめてレイチェル・マクアダムスに出会うシーンという、偶然にもどちらも出会いのシーンだ。

先日友人とも話していたのだが、2回目観ると、あれとなってしまう映画が実は多い。
たとえば、2012年最も愛した映画であったはずの『わたしたちの宣戦布告』や2013年の2位『グッバイ・ファーストラブ』なんかは、好きで好きで仕方なかったはずなのに、2回目、あれこんなもんだっけ、となってしまったことを告白しておこう。そんな中でこの2作は、いずれも2度以上見返す機会があり、より好きになった映画たちだ。

ちなみに『はじまりのうた』は2月に日本公開(喝采!)。僕も実はまだ日本語字幕付きで観てないので、理解は半分程度ですが、まあ間違いなくとんでもない傑作です。ああ、大きな劇場で宝石のようなあの映画がまた観れるなんてなんと幸せなのだろう。

 

3位以下も一本も隙なく愛した作品たち。
『アメリカン・スリープオーバー』はまぎれもなく青春映画の類にあり、初恋とはじめてのキス&友だちとのかけがえのない時間&パーティーといった要素を使いながら、それでも他の青春映画と対極にある驚くべき作品。アイデンティティなんて無い、すぐに入れ替え可能なきわめて現代的な登場人物たち。

こんな最高の青春映画が、まともに劇場公開されていないで埋もれている現実に憤ると一方で、たとえ3日間だけどスクリーンで、日本語字幕付きで、素晴らしい自主製作のブックレットとともに上映を成功させた、大学の後輩たちに感謝と尊敬の思いを。映画を救う可能性ってこういう作品への愛だけしかない気がする。

 
『インターステラー』は2014年観た映画の中でいちばん友人と議論した映画かもしれない。1本の映画だけをテーマに友人と酒を酌み交わす興奮は懐かしい喜びだ。

賛否いろいろあれ、それでも、はじめてSF映画がSF小説に追いついたという意味でSF映画の記念碑的作品たりうると思い4位に入れた。これまで小説でしか表現できなかった技術的な土壌が映画で成り立ち、その上にまともな家族ドラマや恋愛が生まれうる証明してみせた。この映画が生まれたからSF映画はこれからもっと面白くなるぞ、と確信した。

 
『自由が丘で』は最後の最後飛び込みで5位。
毎度のごとく冒頭からパンの下手さとかズームの多用とか辟易(というか心配)しちゃうんだけど、加瀬亮や韓国人たちの喋る決して流暢ではない少しおかしなイントネーションの英語を聞くたまらなく愛おしい時間。映画はこれだけ自由に撮っていいんだとホン・サンスが証明してくれた。ホン・サンスの中でも一番好きだ。

 

6位以下の作品も思い入れを語ると止まらない作品ばかり。イーストウッド、ウェス・アンダーソン、ジェイソン・ライトマン、ジェームズ・グレイ、デヴィッド・O・ラッセル(+マリオン・コティヤール)。いずれもその名を見れば絶対の安心感を持って、劇場に足を運ぶ監督(+1人の女優)であって、ここにあげた全ての作品において高い期待を遥かに超えてくれた傑作といえよう。

ほか『ラッシュ/プライドと友情』、『レッドファミリー』、『マイティエンジェル』、『罪の手ざわり』、『紙の月』あたりはランキングに入れ替わってもおかしくない泣く泣く落とした映画たち。

 

数えてみると2014年観た映画本数は全部で75本、2013年観た本数が144本とあるので、約半数近くまでなっている。観た映画メモを残し始めたここ10年間で1番少なかったようだ。
それだけ忙しかったのか怠惰だったのか。映画行こうと決めてた休日でも朝目覚まし止めてたりで、怠惰なんだろうな。なによりひどいのは昨年書いたブログはわずか3本(笑)ひどすぎる!毎年この時期だけはがんばろー、と思うんだけどな。しかしまた一歩人生が進んだ手応えはあって、充実した一年だった。

 

去年も色々あったけど、最近、また映画の予告編後にスクリーンのカーテン?が横に開く瞬間、ほんとそれだけで目が涙でいっぱいになってしまうことがある。やっぱりぼくは映画が大好きなんだな、とあらためて思う瞬間だし、いま自信を持ってそう言えていることが何よりも嬉しい。さあ今年もいっぱい観るぞ。

 

■参考記事
はじまりのうた http://daichitanaka.com/archives/930/
2013 best    http://daichitanaka.com/archives/854/
2012 best    http://daichitanaka.com/archives/547/

 

begin again


東京国際映画祭まっしぐらな僕ですが、とんでもない嬉しいニュースが!
ぼくは興奮に興奮に興奮をしております。

そう、ハワイで見た、今年暫定No.1の映画『Begin Again』(ジョン・カーニー)が、2015年2月日本公開が決定したとのこと。邦題『はじまりのうた』、超ダサイ!でもいいんだ好きだから。

早く見たい。劇場公開したら5回は見たい。2月まで待つのつらい。

というわけで、書く書く言って筆をとらないタチの僕ですが、本作について書こうと思う。少しでも多くの人に見てもらいたいもので。



この映画が、素晴らしい理由は、ほとんど一点に尽きる。

純然たる、本物の、音楽映画であること。それだけだ。

これだけ、音楽が形づくられる美しさを、喜びを表現できた映画がかつてあったろうか。

はじめて、ダン(マーク・ラファロ)がグレタ(キーラ・ナイトレー)の曲を聴いたときの、あの出会いの演出は。かってにドラムが動き出す、音楽がはじまる、興奮は。あるいは、街中や、路地裏や、屋上や、パーティーで奏でられる音楽は。



このあたりは、こちらも素晴らしかったクリント・イーストウッドの音楽映画『ジャージー・ボーイズ』と比べるとわかりやすいだろう。

それが音楽映画と括られようと、イーストウッドは、いつものやり方を、一切変えようとしない。そこにいる「人」そのものを撮り続ける。
彼にとって音楽で盛り上げることは二の次だ。たとえば、ステージで歌われる『君の瞳に恋してる』。ジャージーボーイズが、一度後ろを向き、観客へ振り返る。イーストウッド以外のアメリカ映画監督であれば、当然、次の切り返しで映す観客は、元いたステージとは別の、もっと圧倒的に大きなステージで歓声が上がるシーンに切り替わる所だ。

その演出が、音楽で盛り上げるためには一番手っ取り早いからだ。しかし、盛り上がる手法なんて当然わかっていても、イーストウッドはそんな演出は行わない。多くの人が涙を流すことを抑えられない、そのエンディングも、音楽によってではなく、はなればなれになった人たちが再び集まり、笑顔で踊り歌うことに涙するのだ。

対して、ジョン・カーニーは、イーストウッドの逆をいく。
人なんて正直興味ないようにすら見える。

ロックスターの男はなぜ唐突に女を振ったのか。女はなぜ、ロックスターのステージから去ったのか。ほとんど説明がなく物語は進む。
このあたりは前作『ONCE/ダブリンの街角で』において、最後に、女はなぜ男のもとに現れなかったか、全く語られないことと同じ。そう、ジョン・カーニーは全く興味ないのだ、そんなこと。

彼が興味があることは、ただひとつ。最高の音楽シーンを撮ること。
「音楽の魔法だ。音楽は世界の色を変える」とダンに言わせたのも、作曲やMVの制作に没頭して育った監督らしい。
きっと彼に人間ドラマを撮らせてもまったく成功しないだろう。

この映画を、そのストーリーの脆弱さから、非難することはほとんど筋違いだ。
音楽に突き抜けているからこそ、音楽が有る幾多のシーンが格別だ。


他にも、イヤホンをつけながら、手を繋ぎ街を歩く二人の姿はどうだろう。
かつて恋をしたことがある人なら、誰もが記憶にあるだろうその光景は。そして、その足でクラブに繰り出し、自分たちの曲で楽しそうに踊る2人の姿は。
mark-ruffalo-and-keira-knightley

あまりにも魅力的過ぎて、日本に帰国後行ったイベントで、DJがつまらない曲をかけている間に、思わずiPodを取り出し、真似をしてしまったものだ。選んだ曲は、リアーナとカルヴィン・ハリスの「We Found Love」。DJには申し訳ない気持ちはあったものの、自分の好きな曲で踊れるあの興奮を忘れられない。夜は更ける。すると、DJが最後の曲だ、と叫ぶ。「私たちは愛を見つけた!」という名の曲です、と。さっきまで耳元で聞いていた曲が、今度は会場全体にかかる。そう、こういうことなんだ。



最後に、この映画を特別たらしめる、もう1つの理由で締めくくりたい。
本作に惚れ込んで、ノーギャラ出演したというMaroon5のアダム・レヴィーンが歌う「Lost Stars」という楽曲だ。
今世紀、最も美しい声を持つ彼の、最も美しいメロディによって彩られたこの曲が、この映画を更に高い次元に昇華させていることは間違いない。というわけでこちらを貼って終わりたい。

というわけで、ほんとハイテンションでぎゃーと書いてしまいましたが、とにかく最高の音楽映画が誕生したことに歓喜し、その日本公開を心から応援してます。(配給会社のみなさん、僕なんかでよければ、宣伝協力とかやりたいので、ぜひメールでも連絡ください。)

【作品情報】
『はじまりのうた』(原題 Begin Again)
日本語公式サイト
2月7日シネクイント、新宿ピカデリーほか全国ロードショー

2014年9月現在日本未公開の映画の中から良かったものたちをリストアップしてみます。

What If(マイケル・ドース)
ダニエル・ラドクリフくんは、ずっとハリポタのイメージ消えなかったんだけど、ようやくこの映画で脱却した気がするなー。顔は『(500日の)サマー』的なモテないラブコメ主人公にはぴったりだし!『ルビー・スパークス』は全然だったのだけど。これは内容的にも日本公開間違いないと思う。



Party Girl(Marie Amachoukeli、Claire Burger、Samuel Theis)
タイトルからして最高でしょ。パーティーガール。なのに主人公老人。最近の映画会社の日本への配給の基準のひとつが、「老人か子供が主人公の映画」だそうだから(老人か子供が出てたらヒットする。て、ばかな話。)きっと日本にもかかるんじゃないかと。カンヌ、カメラドール受賞。



LAND HO!(マーサ・スティーブンス)
おじいさんが旅する映画にも食傷気味だが、これは引き込まれたなー。トライベッカ映画祭で上映されるにぴったりな雄大な自然とおじいさん!



What Richard Did(Lenny Abrahamson)
フィルムに危うさを焼き付けるという点で、ものすごい才能っす。アイルランド期待の新星。



The Dirties(Matt Johnson)
テーマ的には、カナダ版『桐島部活やめるってよ』笑
スクールカースト最下層のいじめられっこたちが映画撮る。ほんとダーティーでいいっすよ。
主演の子が『エレファント』の主人公が来てたTシャツ着てて笑った。



Han Gong-Ju(Lee Su-jin)
暗いのが続きますが。ロッテルダム映画祭作品賞受賞。韓国の新たな才能。



世界には未だ見ぬ素晴らしい作品たちがいっぱいありますね。
願うならば、日本で劇場で日本語字幕で見たい!まあ一番いいのは『Begin Again』だけどね!

とてもお久しぶりにブログ更新します。
今度こそ更新止めないって書くたびに言ってるのだけど、ホント今度こそ。
信頼は言葉ではなく行動で見せるもの。

てわけで、ちょっと前ですが、モアナ・サーフライダーにて妹の結婚式があって、ハワイに初めて行ったのでその雑感メモを書きます。ハワイ一人旅とかしてるの俺くらいだったのではないだろうか。レストランとか入るたびに、alone?と驚かれてた気がする。

Jamba Juice
日本未上陸のジュース屋さん。ハワイのあちこちにある。
これがとてつもない美味さで、毎日飲んでました。ハワイ行く方は絶対行ってほしいわ。
上場してたら確実に投資対象ですよ。

カウアイ島
行く前から多分オアフはつまらないんだろーなと思っていたので(予想外に良かった)、お隣のカウアイ島というところにすぐ移動した。
ここがもう最高に最高で、今まで40カ国ほど行ったのだけど、その中でもベスト5に入るくらいだなーと思ってます。
ちなみに他の4つは、ダマスカス(シリア)、パリ(フランス)、バンコク(タイ)、バリ(インドネシア)かな。

Airbnb
カウアイの旅がファンタスティックの域に達していたのは、Airbnbを使ったことによるところが大きい言えるんだろうなー。最高のホスト・ケーシイ、同時期に宿泊していたラナfromクロアチア、ニコfromオーストラリアとの出会いに心から感謝。やはり僕にとって旅&旅サービスというものは、大事なものだったりするので、Airbnbについてはまた書きます。

初左ハンドル、右側車線
オアフではノースショアやラニカイビーチとか行かなければ、大して必要ないと思うけれど、
カウアイでは、車なければ話にならないわけで。借りましたよレンタカー。初左ハンドル、右側車線。
最初超怖い。隣に人乗せてるのに、左側車線爆走してしまったし。

映画『Begin Again』(ジョン・カーニイ)
最近ある仕事で、世界の映画祭で評価されているが、日本への配給が決まっていない作品を漁っていた。
その中で、最も強い印象を受けたのがこの映画『Begin Again』。予告編を見て、どうしても見たいと思っていたのだが、なんとホノルルのお洒落SC、カハラモール内の映画館で上映中という奇跡。その後の予定全て変更してチケット買っちゃいました。$8くらい。アメリカ安いなー、住みたい。そして本作は今年ベストですよ、いまのところ。滂沱。キーラ・ナイトレー神がかってる。帰ってすぐ監督の前作の『ONCE/ダブリンの街角で』見て、こちらも良かったけど、その10倍は良かったなー。
絶対みんなに観てもらいたいという意識が久々に再燃。日本での配給決まってるのかしら、決まってなければ僕たち、なんとしても日本で公開したいと思う。
さて、作品については、また別に書きます。そう言って書かないことが多いけど、今回はちゃんと書きますよ。

ということで予告編でも見ながら、またね!