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『ダークナイト・ライジング』(クリストファー・ノーラン)見た。絶好調のノーラン、期待を違わぬ素晴らしい映画だった。

シリーズを通して見ている者であれば、当然、舞台はニューヨークに酷似した架空の都市、ゴッサム・シティだと知っている。かつてハリウッドの大作映画でここまで、「地」にこだわった作品はない。クリスチャン・ベイル演ずるブルース・ウェイン/バットマンがほとんど無茶な戦いに挑むのは、この都市のため、それだけである。映画全体に流れる、地への誇り/愛情は全く感動的であり、ほとんどそれだけの理由で、この映画が『ミッション・インポッシブル』よりも素晴らしいと断言できる。

ゲイリー・オールドマンの演説から映画は始まる。壁一面に飾られた、ハービー・デントの大きな写真。ゲイリー・オールドマンは一枚の紙を胸ポケットにしまう。前作の映像のフラッシュバックが所々に挿入される。前作を見たことのある誰もが、本部長と呼ばれる彼の葛藤を知る。この都市は、その死によってヒーローとなったハービー・デントによって平和となったのだと気づく。『ダークナイト』『インセプション』以上の、倒錯に満ちた映画だ、とそれだけで僕らはこれからの3時間が素晴らしい時間となるだろう、と確信するだろう。

ノーランはゲイリー・オールドマン/ジョゼフ・ゴードン=レヴィットに「偶然は信じない」と言わせる。(ともにこの映画における最も素晴らしいシーンの1つだ。)終盤、橋の上、偶然はないということを思い知るジョゼフ・ゴードン=レヴィットの失望、しかし、偶然を超えた「奇跡」というものがあることを彼は知る。ラストシーン、奇跡としか言いようがない、クリスチャン・ベイルの笑顔に思わず、誰もがガッツポーズするだろう。しかも、過去とは違い、今度は正面を向いて座るのだ。今作の続編があることを予告するいやらしい演出に、かるく辟易しつつも、ノーランが監督であるならば、と楽しみになってしまうのだ。勿論楽しみの1つはあまりに魅力的すぎるアン・ハサウェイが再度スクリーンで見れることだ、ということは言うまでもない。

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