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バレエに関する映画や小説が好きだ。バレエのドキュメンタリー映画なんて公開されればそれが全然名前を聞いたことのない監督であれ、つい映画館に駆けつけてしまう。『ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ』(ベス・カーグマン)もBUNKAMURAで観て、とてつもなく感動した。若者たちのがんばってる姿とか、その先の挫折と栄光ってだけでもう超泣いてしまうのだけど、それがバレエだとなおさらだ。ちなみに一番好きな漫画は『舞姫 テレプシコーラ』(山岸涼子)だったりもする。

たぶん作り手のアクチュアリティの問題なのだと思う。いかに自分の話を語っているか、というのは作品の魅力にダイレクトに跳ね返ってくるのでないか、と考えている。そう、バレエの映画を撮る人やそれについて書く人は、ワイズマンこそ違うかもしれないが、みんな過去にバレエやっているのだ。
ハリウッドのスパイ映画とかSF映画、超おもしろいし超大好きだけど、昔ソ連のスパイだったり前職CIAだったって人や実際にエイリアン昔襲われたことがあってあのときマジ怖かったんだよね、ということを伝えたくて映画撮りましたって監督は多分ほとんどいないはずで、そこにアクチュアリティというものは皆無。(アクチュアリティがないはずなのに書けるということがまじで凄いんだ!と最近飲んだ素晴らしい私小説を書く友人は言っていたし、その通りだと思っている。)
その点バレエ映画はアクチュアリティのかたまりのようなものだ。それがドキュメンタリーであれば勿論のこと、フィクションであっても作り手が語っている物語を何よりも理解して、伝えてくるわけだ。今作のベス・カーグマンも、山岸涼子も勿論バレエ経験者でその辛さも苦悩も、舞台で成功したときの喜びも知っている。ガヤのライバル心(この映画で最も素晴らしいシーンはガヤのダンス中の表情だろう)も、ミケーラの怪我、そして自分を信じられなくなる辛さも、あるいはジョアンの栄光さえも。そんな映画が素晴らしくないわけがないだろう。

同じ理由でサーフィン映画やスケボー映画も好きなのだろう。サーファー以外の撮ったサーフィン映画なんて見たことあるだろうか?
その中でもキングオブアクチュアリティはステイシー・ペラルタ(『ボーンズ・ブリゲード』『ライディング・ジャイアンツ』『ロード・オブ・ドッグタウン』)だと確信している。『ボーンズ・ブリゲード』の映画中、「ボーンズ・ブリゲード」の解散についてステイシー・ペラルタが泣きながら語る昔話が最高だ。「俺がボーンズ・ブリゲードを作った理由は、Z-BOYSで叶わなかった、一生続く最高のチームを作ること、ということをどうしてもやりたかったんだ。でもやっぱり無理だった。」と。それを30年後に当時のメンバーみんな集めて映画作って語ってしまうのだから、やはりステイシー・ペラルタほど愛すべき監督はいないんじゃないか、と思うのだ。

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