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『ダークナイト・ライジング』(クリストファー・ノーラン)見た。絶好調のノーラン、期待を違わぬ素晴らしい映画だった。

シリーズを通して見ている者であれば、当然、舞台はニューヨークに酷似した架空の都市、ゴッサム・シティだと知っている。かつてハリウッドの大作映画でここまで、「地」にこだわった作品はない。クリスチャン・ベイル演ずるブルース・ウェイン/バットマンがほとんど無茶な戦いに挑むのは、この都市のため、それだけである。映画全体に流れる、地への誇り/愛情は全く感動的であり、ほとんどそれだけの理由で、この映画が『ミッション・インポッシブル』よりも素晴らしいと断言できる。

ゲイリー・オールドマンの演説から映画は始まる。壁一面に飾られた、ハービー・デントの大きな写真。ゲイリー・オールドマンは一枚の紙を胸ポケットにしまう。前作の映像のフラッシュバックが所々に挿入される。前作を見たことのある誰もが、本部長と呼ばれる彼の葛藤を知る。この都市は、その死によってヒーローとなったハービー・デントによって平和となったのだと気づく。『ダークナイト』『インセプション』以上の、倒錯に満ちた映画だ、とそれだけで僕らはこれからの3時間が素晴らしい時間となるだろう、と確信するだろう。

ノーランはゲイリー・オールドマン/ジョゼフ・ゴードン=レヴィットに「偶然は信じない」と言わせる。(ともにこの映画における最も素晴らしいシーンの1つだ。)終盤、橋の上、偶然はないということを思い知るジョゼフ・ゴードン=レヴィットの失望、しかし、偶然を超えた「奇跡」というものがあることを彼は知る。ラストシーン、奇跡としか言いようがない、クリスチャン・ベイルの笑顔に思わず、誰もがガッツポーズするだろう。しかも、過去とは違い、今度は正面を向いて座るのだ。今作の続編があることを予告するいやらしい演出に、かるく辟易しつつも、ノーランが監督であるならば、と楽しみになってしまうのだ。勿論楽しみの1つはあまりに魅力的すぎるアン・ハサウェイが再度スクリーンで見れることだ、ということは言うまでもない。

お昼は嫁友達のMさんと3人で、新宿「やまと楽」でランチ。1,500円で先付、前菜、メインと一通りそろってて雰囲気も良くてよかった。煎り豆ごはん激うまだったので、家でも作る。Mさんは、子供2人いる男性を嫁と別れさせたツワモノで、話をドキドキしながら聞いた。小悪魔的な魅力に溢れる女性でした。

嫁とMさんはカフェに行くとのことなので、ばいばーいして、新宿バルト9で『ダークナイト・ライジング』(クリストファー・ノーラン)。残1席の奇跡。ここ最近『アメイジング・スパイダーマン』『THE DEPTHS』と満席で映画見れずが続いているので、今日はラッキー。映画ブーム来てるのかしら。

映画終了後、紀伊國屋で話題の「ほんのまくら」フェアのぞく。本のタイトル見せずに、本の導入部だけわかる形で、本との偶然の出会いを、というフェア。人が集まって、みんなが興味を持った導入部の本をレジにもっていく。とにかく感動したし、これこそ生き残るための努力だよなーとしみじみと感じた。映画や本や音楽はこういった努力をとかくしていかなければならない、じゃないとほんと死んじゃうよ、というのはこないだの友人との飲みの場の主題だった。例えば、僕の仕事であるネット業界は、生き残るためにどうすればいいか/どうするべきか日々考え、努力し続けている。それを知っている僕にしてみれば、いまの映画/本/音楽という業界はとかく努力が足りないように、少なくとも、見えてしまう。その中での紀伊國屋の取り組みは、本当に素晴らしいと思いつつ、偶然の出会いに期待して一冊の本を購入した。

表紙にはこう書かれている。「小説にはおよそ始まりも終わりもない」。読者として、とても本を開くのが楽しみだ。

会社帰りに嫁と「グルガオン」(だいすき!)。奥がバターチキン、手前がチキンムガライ。今日も激うまでした♡

渋谷に向かい巷を賑わせてる濱口竜介監督(ハマグチ!ハマグチ!ハマグチ!)の『THE DEPTHS』見に行こうとしたら満席。それでも、ものすごい人の溢れるオーディトリウム渋谷にちょっと嬉しくなったり。TSUTAYAいったら、CDがいつでも10枚2,000円レンタルになっていて驚いたので、久々にレンタルなど物色。田我流「B級映画のように」、LUVRAW & BTB「ヨコハマ・シティ・ブリーズ」など聞きたいものに出会え過ぎて、18枚レンタル。ほぼヒップホップ。今年の夏もヒップホップ三昧になりそうです。

家に帰ってこの夏、貴重な時間にやりたいことをまとめる。

『私は猫ストーカー』(鈴木卓爾)見た。ひとつひとつの撮影などについてはっとしたり、そりゃないやろと突っ込んだり。

フィリップ・ル・ゲイの『屋根裏部屋のマリアたち』、Bunkamuraにて。

この作品が映画として十分に成り立っているということは、マリアがメイドとして働き始めた初日、裏窓から仲間を呼びつけるシーンを見ればわかるだろう。数々の映画において裏窓が使われる美しいシーンを知っている僕たちは、この魅力的な舞台における新しい活用法に、なるほどこの使い方があったか!と発見の喜びに充ち溢れる。それだけでなく映画全体としても素晴らしいコメディで、終始劇場は大笑いに包まれるわけだが、その陰に潜むメロドラマがたまらない。たとえば教会のシーン、ミサにおけるマリアの後ろ姿、視線の美しさなど忘れ難い。とてもいい映画でした。

朝からフランク・ポサージ『第七天国』のことが頭から離れなくなったので、これはとびきり面白映画を見に行かねばと渋谷文化村に『屋根裏部屋のマリアたち』見に行って大層面白くて、そのあとアップリンクファクトリーでやってる古書市いったら『リリアン・ギッシュ自伝』見つけて興奮して購入し、ヒカリエの牛タン屋でカレー食って、フジロック日記の続き書いてないこと思い出した!(なのにベルギービールが云々とか!)というわけで続きです。

 

7/28(土)つづき

何時間か川沿いでみんなでワイワイやればもうライブとかどうでもよくなるのだけど、ユリリンたちは魚クションいくというのででは今度ユリリン家で手巻き寿司パーティーやりましょう!と約束して、全然行く気はなかったけどまたJUSTICEで!と言ってばいばーいして、いろんな人が絶対いいよと推してくるSPIRITUALIZED見に、モリシとマイコとマーキー向かうも人多すぎて入れず。モリシと僕はすっかり二人で楽しみたくなっていたので意気投合し、マイコにテント帰ろうと積極的に誘った。狙い通りテントに帰るもののものの数分でヘビードランカーな僕も倒れ、気づいたらテントにおいてけぼりひとりだったガッデム。

時計はちょうど日をまたいだところで夜はこれからでしょーとオアシスに再度繰り出すとみんながジャスティスジャスティス言って大満足してた様子でみんな幸せそうだなーと僕もまったく幸せな気分になってオアシスでひとり飲酒などを行う。テントに戻ったマイコを呼び出すと欲求不満です私と大声で叫んでたので、はいはいと笑って流し青春なり人生なりそうゆう恥ずかしい話をした。飲みすぎて何を話したのかは一切覚えてないけどほんとにフジロックは楽しいなーという感情に満たされるがるぼる大いに笑う一日でありました。

 

7/29(日)

しっかり8時間も寝たおかげで三日目とは思えない快調ぶりで、しかしもう苗場着いた時からそういう気持ちになってるのだけど、3日目ともなれば一層あー今年も終わってしまうのか来年まで362日などと思いモリシを見れば同じ表情をしている。マイコは僕らが起きたらテントおらず全然戻ってこないので、モリシと二人で本陣向かい、笑い話してもなんだかこの暮らし、生活も今日が最後でなんて考えるとどうにも切なくて仕方ない。戻ったらマイコはシャワーに2時間も並んだとか言っててThats too badといってはげまして、会場向かう。グリーン通ったらGALACTICやっててものすごい良くて感動的だったのだけど、マイコが奇妙礼太郎見たいというので、わりとライブにこだわりない僕はグリーンを横切りヘブンへ。途中結局毎年食べてしまうよねハイジカレーと今日こそラムチョップを2本買いし、豪華な朝食でみんなでカンパーイ!

音楽や映画とか誰に推薦されるかというコンテクストはすごい重要で、1万人の人が良いと言おうとも多分見に行かない『アメイジング・スパイダーマン』も、信頼する友人がグレイトと言えば劇場に向かうのだろう(ファーストデイで満席で入れなかったけど)。そう思えば奇妙礼太郎は全然で、マイコはとても仲の良い友人なんだけど、音楽とかにおいてはやはり信頼における人ではないので、すごくいいと言われてもふーんとなってしまうのが僕のいけないところだとは特に思わない。期待せずに椅子に座って聞こうかと決め込んだのだけど、しかし奇妙礼太郎はものすごく良くて、先日行ったライブで僕の長年のグレイテストピープルだったソカベさんがちょっと違うなーといよいよ思い始めてきているところに、まるで往年のソカベさんとと同じようなライブをするもので、曲終りのジャンプの姿勢/「ロックンロール!」と叫ぶ姿/伸ばした声、確実にあなたソカベさん好きでしょうというのがまるわかりで、そうゆうのはとても好きです。とびきりは、『君が誰かの彼女になりくさっても』という曲で、もう恋したことある男子でこの曲聞いて泣かない奴なんているのか、というくらいに名曲of名曲でぼろぼろ涙を流す派目になったことは嫁には言えない。

思わぬ満足感をもって、ヘブンを後にし、オレンジでオルケスタ・リブレとおおはた雄一聞いて、おおはた雄一の声かっこよすぎでしょそれと憧れつつ、オレンジ一番奥のカクテル屋で頼んだアボガドカクテルのうまさにみんなで仰天する。ラムチョップ、ラコスバーガー、アボガドカクテル忘れられないフジの食べ物にランクインです。そのあと特に見たいもんなかったので、もうレディへに備えるかということグリーンに大移動する途中で、また川でかわいいこ探しにみんなで躍起になる。マイコがあの子はやばい、あっちもやばいと言うものの僕とモリシはそれはないを繰り返し続けることになる。

グリーンはハイネケンスタンド目の前のめちゃいい位置に陣取り、わずか30秒でニューハイネケンを入手できるので酔いどれにぴったりで、夕方、気持ちいい風、ハイネケン、そして井上陽水が少年時代や夢の中へ、傘がないをやれば感動しない人がいるわけがない。モリシはこないだライブで恋した鉢巻の子を偶然見つけ、運命やこのチャンスをどうモノにするかと言っていて笑った。陽水終わって、鮎の塩焼き食ったりし、ジャックホワイト先生。特にホワイトストライブスのときから好きでも何でもなかったけど、予想通りなにも感動を覚えないライブで、すぐにマーキー行ってJAMES IHAに癒された。見た目完全おじいちゃんみたいになってて、誰がライブしてるのかはまったくわからなかった。ノラ・ジョーンズが見たくなるねーとモリシと同意した。

疲れてきたので計画的に有効に時間を使うため、コステロは芝生で爆睡し、さて陣地に戻ろうかーと思ったところでコゴさんに出会い、わーコゴさんお会いできてうれしいっすーとハグをし、僕らのいる場所を伝えてお別れ。レディへが始まる十分前になれば、もうみんなの緊張も最高に高まるし、そわそわするし、しかしこんな人入ってるグリーンも見たことないねーという具合の人の数。フルノさんやコゴさんとタキタロウさんとその友人方も一緒にいよいよだねー、と気が気でなくなる。そして照明。歓声。レディヘがステージに立つ。曲が始まれば、踊る踊る。こちらにはコゴさんという踊り師がいるというかコゴさんの踊ってる姿はほんとに大好きで、こんなに気持ち良さそうに踊る人いるんだーと最初嫉妬したくらいで、いまはフジロック行くたびにコゴさんに恋をしている。去年フジロック婚をしたと聞いた時は、久々に失恋した気持ちになったくらいだ。僕ら集団はレディへでこんな踊る人いるんだーと周りにビビられるくらいに踊り踊る。「あーこの曲私が4年間付き合ってた彼にふられたときにずっと聞いてた曲だー」とパラノイド・アンドロイドかカルマ・ポリスあたりでコゴさんが言いみんなで笑い、僕とマイコは肩組んで、いちにのさんので後ろに倒れようとわーきゃーいいながら芝生に倒れたりしたら、モリシとマイコも倒れ、コゴさんとタキタロウさんと僕も倒れ、すげー楽しいとなり、僕らの前にはセクシーな女の子外人4人が超セクシーに絡み合い眠ってたので、マイコとコゴさんは喜んでスマフォで激写し、タキタロウさんは「このまま、でらべっぴん出せるな」といったりなんだこりゃーというくらいおよそ2時間半ひたすらに笑い、飛びはね、最高だねーほんとに最高だねーとなる。

レディへが終われば恐怖の人の波で、わーと流されたものの身長190cmのシュレックさんがみんなを目印に先導してくれ、やーほんとに助かります、ということでラストナイツ、マーキー向かう。それでもモリシとマイコとははぐれて、最初探してたけど電話も全くつながらないし、マーキーからかっこいい音が聞こえてくればたまらずマーキー向かう。DE DE MOUSE + Drumrollsとか信じられないくらいかっこよくて、特にツインドラムの繰り出す音がもはやアートでしょうという絡み合い方をするので、わーと叫び踊る。いろんな方からいい踊りしてるねーとお酒を頂くので感謝しつつ頂戴し、そのまま2時半ごろまでひとり踊り続ける。

あまりに疲れたので、オアシスでちらっと休み、ソーキソバとビールで休息してるとたまたまみうさんから連絡来てあら偶然いま僕もオアシスですよ、となるので最後にカンパーイ!とし、終わっちゃうねーということを語り合った。テントに戻るころには4時過ぎで、ほんとに今年も苗場はなんて場所だ、SEE YOU NEXT YEARとつぶやき横になった瞬間眠った。

 

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7/30(月)

朝起きて、テント畳んで、ラコスバーガー+ビール。今日も美味い。アサミと偶然会い、またらいねーん!と叫び、越後湯沢へと向かうバスに並ぶ。3日間、信じられないくらい全く雨の降らなかった苗場だけど、ある意味奇蹟的に終わったこの日は大雨で、やーでもラッキーだったね、去年はきつかったものね、と。

バスは1時間半以上待ち、湯沢へ。温泉入ろう!ということで、湯沢グランドホテルに向い、温泉入る。本陣とは圧倒的に違う設備にモリシとこれ、毎年ありやなと認識あわせ。ホテル前でたむろってたらホテルの人が、駅まで送迎してくれた。たぶん客層的にホテルのブランドイメージとあわなかったのだろう。駅前の郷土料理やでけんちん定食食べ、お土産買って、新幹線は爆睡して、東京駅。モリシとマイコとまた苗場で!と拳を合わせ帰路へ着く。今年も最高の5daysでした。

金曜恒例のひとりベルギービール。

終電で仕事終えてからの、ハッピータイム@西小山Bar SLOW。なでしこジャパン勝ったぜ!

1本目:ヒューガルデンホワイト

他のビアバーとは格が違ううまさにぞっこんです。

2本目:Leff Blonde

今日も美味しく頂きました。

3本目:DUCHESSE DE BOURGOGNE

 

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ワインの瓶で醸成させたビール。上品な味わいで激うまでした。

「6年連続」と誰かのように言えないのが残念で6年目5回目のフジロックから帰ってきた。一昨年、苗場に行かなかったことはこの数年間で何よりも後悔していることの1つで、そのとき友人から言われた言葉は「一度行かなくなるとほんといかないと思うよ」といった類のことで、二度と逃してなるものか、という感情に別に襲れない。ほんとに楽しいので行く。

7.25(木)

6時退社を目標に、これでもかとばかりに仕事をこなし、休暇メールの設定を行う。東京駅新幹線改札口でモリシと合流、ビールを買い、新幹線に乗り込む。1時間半。車と比べれば短い時間だ。越後湯沢に到着し、飲酒に興じる。

シャトルバスの行列に一瞬ひるみ、はなからシャトルバスなんて待つ気も無かった僕は早速モリシに提案する。知らん人誘って、4人集めてタクシーでいこうと。何組かに声かけするも、なかなか芳しい反応ではない。しかし外人女性ふたりぐみがタクシーに乗り込んだので、駆け、声をかける。「キャンウィーゴートギャザー」グラマー外人は突然の声かけに驚くも「イエス!」と明るい反応。そして「どこいくの?」と聞いてくる。当然「ナエバ!フジロック!」と答えると、まさかの「私たち違う場所なの」という奇跡。この日に、あるんだそんなこと、とモリシと笑う。30分ぐらい待ってもつかまらないので、モリシがシャトルバスに並びつつ、声かけようという提案にみすみす乗る形になり、並んでみたら20分で乗れました。便利だね。

遠くから、音が聞こえ、少しずつ大きな音になっていく。いつもの、フジロックのゲートが見える。毎年恒例の、ここに戻ってきたという感情。リストバンドを交換し、テントを張りに急ぐ。まさかのテントサイト入口10秒のところにちとでこぼこだが、十分なスペースを発見し、急ぎテントを張る。当然、かつてないほどに快適なフジロックライフが約束される。先に来ていたモリシの友達の先輩のフルノさんと合流する。先に前夜祭に行っていたみたいだが、やっぱりシャーベッツとか全然好きじゃなかった!と言っていた。

会場に向かう。ゲートをくぐる。かつて、もはや自分が体験した現実だったのかすらよくわからない僕の原体験である大学4年の夏や、死ぬほど楽しかった社会人1年目の夏のようなドキワクとは違う。落ち着き払った北の男だ。風景もすべて知っている、またここに戻ってきたという感覚。悪くない。

さっそく苗場食堂で、とろろめし・豚トロ串焼き・ハイネケンを購入しカンパーイ!オアシスで全くいつも通り感動的な大道芸を見て笑ったり驚いたりし、マーキーへ向かう。ちょうどLOS LONELY BOYSとやらが終わったところで、豆塚。豆塚=フジロック出演者の有名な曲を流す人という先入観しかなかったので(思えば前夜祭にいったことは大学4年の夏一度きりで、なぜかそんな記憶がある)、今年は当然〆で「creep」でしょうとか思っていたら案外知ってる曲は全然掛からずただのかっこいいDJで思い違いはなはだしい。しかし12時になれば音は止むが、モリシはあと3時間は踊れるな!と言っていた。テントサイトに戻り、ラコスバーガーで(その後何度も訪れるとはつゆ知らず)さっぱりとジントニック飲んで寝る。

7.26(金)

予報では3日間とも晴れ、という奇蹟の晴れロックになるということだが、テントは完全にサウナで9時半ごろにはモリシも目を覚まし、汗まみれを抜け出すため、いつもの温泉、本陣へ歩いて向かう。本陣はがらがらで、コンセントで携帯充電も確保し、大満足で風呂をあがって今日一杯目のビールでカンパーイ!テントサイトに戻れば、テントサイトから出るための!行列につかまり、終わりそうにない僕らは昨夜のラコスバーガーで朝飯のラコスバーガー+ポテトセット+ハイネケンを注文。中のハンバーグが劇的にうまく、これはおいしいねーとモリシと大いに喜ぶことになる。家に帰って検索したら岡山のお店だったので、岡山の友人へ是非行くといいよと一昨夜メールしたらこれからワイズマンということでうらやましい。

バーガー食べてたら狙い通り、行列は緩和し、会場へと向かい、早速ドラゴンドラに乗り込む。アホな子たちと一緒になり、熊がいるよ、まさかいるわけない、熊だー!と毎年恒例の会話に興じつつ、デイドリーミング別名「天国」へ到着するので、早速ハイネケンでカンパーイ!やはりここのハイネケンが世界一うまいと思い知る。ちょうどドリアンがはじまるところで僕らは芝生で寝る準備を始め、ドリアンが始まるころには爆睡を決め込んだ。起きるとドリアン大盛り上がりで、眠るのにはgood music過ぎてモリシも寝てたし再度寝た。ドリアンよかった。そうすればEccyはじまるので、どれどれと覗きにいったら、やっぱり不細工だったけれど、僕はEccyが同じ世代だと聞いたあたりから、何があっても応援しようと決め込んでいるので、まばらな客の中ぶいぶい躍った。踊りながらなぜだが「親密さ」という言葉が思い浮かんだ。とてもいい言葉だ。あるいは85世代ヌーヴェルヴァーグ!とてもいい言葉だ。

3時間ほど天国にいたが、ブルーハーブがはじまるとなるので、モリシを起こすとモリシは日焼けで全身真っ赤になっていた。ドラゴンドラを降りたところで、突如「だいちくん!」と女子に声をかけられ遠目で誰かわからなかったので「おう!」とかえしておいた。直後に会社の先輩とかだったらどうしようとドギマギした。その後、みうさんからメールが来て「フジで偶然会えるなんて」ということだったので、会社の先輩ではなく一安心し、ホワイトへ向かえば、丁度ブルーハーブで、7月頭のワンマン以来だからそんな久々感はないのだけど、彼が声をあげる。12年目、6年ぶり、4回目のフジロックと。そう6年前、大学4年の1回目のフジロック、マーキーで見たボスのあの影、言葉、音、初めて見たブルーハーブを僕は全く忘れられずにいて、わわわと記憶がよみがえってきて、そして全身に鳥肌が立つ。最初ホワイト、ブルーハーブには箱でかいかなと思ったけど、そりゃそんなことはなくて、僕は体を動かすことすら許されない緊張感の中で、ほとんど突っ立って鳥肌を立たせ続け約45分間を過ごしたものだ。終わった後モリシと、まともに聞いた1組目で既にベストアクトだねと言って喜んだ。

小腹がすいたので、昨年のベストフードであるながおか屋のラムチョップを買いに、ヘブンに向かう。モリシはラムチョップ二本買いしていて、僕は1本目を食べ終わった後に早速もう1本買わなかったことを後悔し、ビールをなめた。バックミュージックのErnest Ranglinはうるさすぎず丁度いい感じだった。このあたりで今日あとから合流するはずのマイは仕事で今日無理と連絡が来て残念と思ったわけでもない。

そこから大移動でオアシスでタイラーメン食べて、BEADY EYEに向かうけど全然興味ないので、再度睡眠をむさぼり、ストーンローゼズまでよく寝た。ストーンローゼズをなぜかすごい楽しみにしていたけど、そういえば僕の人生にローゼズとやらは対して深く関わったことないなあ、ということを彼らが登場し、数分後に気づき、一気に興味を失って、モリシにジェームス・ブレイクに行こうと誘ったけど、彼はいかないと言うので、移動もめんどくさいので椅子に座ってストーンローゼスをぼうっと聞いた。まあまあだったけど感動は特にない。『(500)日のサマー』でふたりの共通の趣味として語られていたのは、ローゼズではなく、スミスだったろうか。ふとそんな疑念が湧いてきた。

そしてホワイトに移動しジェームス・ブレイク。音源を聞いたことはないが、しかしそれはまあ素晴らしいライブで、この年(23,4才とかかと勝手に思っている)でこんなライブをやられてしまうと、なんというか「天才」という言葉しか形容する言葉がない、ととにかく感嘆し、アニマルコレクティブの再来だ!とひとり叫び続けた。なんといい夜なんだと思いつつ、オレンジへ向かう。朝から、今日はオールナイトフジの為に!を掛け声に、体力を温存してきたので、Eccyで30分ほど躍った以外は全く動いておらず、ずいぶん元気になってきた。みうさんもオレンジおいでと言ったら、来る!ということだったので、先にDJ EMMAで身体を慣らす。今日はいつものオールナイトフジのスピーカー3倍にしてるぜ、と言われるとあおられるので大いに踊る。みうさんが来たところで、わーとなり、3人で乾杯する。みうさんは「バックミラー、サイドミラー、目視」という言葉を連呼していた。DJ NOBU⇒DJ KRUSHの流れは当然やばく、バッキバキに踊ったらへとへとになり、テントへ戻ることに。3時半ごろテントに到着し、疲れすぎて一瞬で眠り初日は終わる。

 

7.27(土)

テントを出るころにはほとんど昼ごろで、ラコスバーガーを食って、本陣を出て、ROVO友達のアサミと乾杯して、会場に着くころにはもう15時を過ぎていた。ホワイトのMONOの方に向かうも、うるさかったのでそのままボードウォークに入り、ヘブンへ。去年超旨かった記憶のあるグリーンカレー食うけど普通だった。去年いた天才料理人が本店まかされたのではとモリシは言っていた。そのあたりでケンちゃんと合流し、バーボンソーダで乾杯する。ケンちゃんとマイコを付き合わせることが今フジロックの密かな目的であり、そのマイコにホワイト集合でとメールし、ROVO。1か月前の日比谷公園は全く記憶がないので今日こそ!と気合を入れて躍った。あとになって気づくと、この日はROVO以外まともに何も見なかった理想的なフジロックライフだ。

モリシがユリリンと乾杯したい会いたいおごってもらいたいというので、ユリリンに連絡したら、川のとこいるよーと帰ってきたので急いで向かう。そしたらタケシもいてあら偶然こんなところでと驚く。マイコもなんとか合流できたが激ギレしていたのでそっとしておく。ユリリンはユリリンの彼氏疑惑の先輩といたのだけど、先輩の前で、ユリリン愛してるからおごってくれとの言葉をモリシがかけると、「愛はないけど金はある」との大人の回答に僕らは憧れ冷めやらぬ今も、ということで僕とモリシは女子からビールをご馳走になるだろう。CARIBOUをBGMにモリシ、ユリリン、ユリリン先輩、ケンちゃん、マイコ、フルノさんで飲み飲みワイン・ウイスキーが登場し、ケンちゃんは完全にマイコに「ほの字」でマイコもその気だったので、フジロックラブを楽しみにしている。iPhoneを見ればフジロックになぜか来なかったタカシから「悔しすぎるからすげー楽しそうな写真を送って」というメールに笑い、みんなでハイチーズとやればやっぱり僕はフジロックにラブシックという不治の病です。眠いのでこの続きはまたねん。

イーストウッドの『インビクタス/負けざる者たち』。公開当時なぜか見なかったので、ブルーレイで初見。

びっくりするほど何も起こらなくて笑えるけど、いい話でとても面白かったです。

ホセ・ルイス・ゲリン『シルビアのいる街で』見た。

なんかのDVDの予告編ですげー面白そうだな、と思ってたら、『映画時評2009-2011』でも大絶賛で、なんとこのタイミングでイメージフォーラムで再上映ということなので、駆けつけた。ほぼ満席。

たとえば、冒頭のホテルから、ある言葉をきっかけに切り替わるシーン。カメラは固定され、ただその目の前のT字路を映し続ける。冒頭のシーンを知っている僕たちは、右側のホテルの入り口から、長髪の彼が出てくることを知っている。予想通り、その景色に同化したような薄茶色の服に身を包み、際立つ赤いバッグを背後に携えた、彼が飛び出してくる。

彼がT字路を左に曲がり、見切れる。普通の映画であれば(『シルビアのいる街で』を見た後、それが一瞬の過ちであることは知りつつも、近年見た他の映画はどれも、ただの普通の映画でしかなかった、とすら思えてしまう)、カメラは赤いバッグの彼を追うだろう。しかし、カメラはその場を離れず、そのT字路で起こる人生模様を映し続ける。その想定外の演出に、いまだ始まったばかりのこの映画において、なにか尋常ではないことが起こるだろうと気づく。

2夜目。演劇学校の横のカフェで、シルヴィーらしき女性を発見する彼は、前夜に続き、ビールをぶちまけ彼女を追うだろう。そこからの追跡劇は、まさしく、活劇以外のなにものでもない。シルヴィーを追う彼という構図に、いつしかカメラは切り返し、シルヴィーらしき女性を正面に捉え、彼がその背後に映るそんなシーンを想像すし、そして見事にそのシーンを撮るホセ・ルイス・ゲリンの演出に圧倒的な信頼を寄せる。彼は「シルヴィー」と大きな声をあげて彼女を呼ぶ。まさに活劇とはこういうものだ、という監督の野心がにじみ出る素晴らしいシーンだ。

そして、『ミツバチのささやき』のアナ・トレントが大人になった時、きっとこのような女性になるだろう、と誰もが想像したその幻想を叶えるために現れたかのような、みずみずしく美しい女性、ピラール・ロペス・デ・アジャラ。この映画で最も美しい路面電車のシーン。彼女が路面電車で交わす言葉、仕草に誰もが圧倒される。このシーンにいつかは終わりが来ることを知っている(そして彼女と彼の会話から、もうこの映画に、彼女が再度映し出されることはないだろうと誰もが察する)僕たちは、息をする間すら惜しみ、スクリーンを見続けるだろう。

断言しよう。『シルビアのいる街で』は極上の映画体験というものは何かを教えてくれる、信じれないほどに美しい映画だ。